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こねこのとき [現代詩]

ライオンの赤ちゃん.jpg
こねこのとき

目をまるめて
一心に見つめる
生まれて間もない
こねこたち

目に見えるすべての
謎を探るように
好奇心のあかりを
いっぱい光らせ
遊びにかえる

とんではねて
ころんでかけっこ
かあさんねこのもとへ
ふみふみミルク
すやすやねんね
夢見るあかり
小さな未来

こねこのときは
みじかくて



※写真は、こねこではないですがネコ科です。ともだちの絵本です。※最近行った講演会:福岡伸一先生! ※時効警察で、クマとゴリラが言い合いをしているエピソードが可笑しかった。                     ※最近読んだ本:祝祭と予感 恩田睦 幻冬舎 小川洋子さんの小箱、又吉さんの人間を読み始め。先月は小川さんの講演、来月は又吉さん、中島京子さんにも会えるかな?                 ※三浦しをんさんの、河童のドラマ。(あの家に暮らす四人の女)最後の河童の刺繍が素敵でした。




河童 ⅱ.jpg

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サヨナラソウ [物語詩]

自然風景2.jpg
サヨナラソウ

サヨナラソウが群生していた
ゆらゆらとサヨナラサヨナラ

緑の小人たちが
サラサラサラと手をふるような
さざ波さざめき波立つような

サヨナラソウのあちらこちらから
ひょこひょこ頭を出したのは
草の岩かげに息を潜める
あどけない顔のナキウサギ
悲しいサヨナラをやわらげて

風向きが変わり
サヨナラソウたちが
ペコリペコリおじぎをする
サヨナラじゃなくまたねと

また会えるようタネを蒔くよ
サヨナラマタネソウとなって




旅ぞうさん (2).jpg








※最近読んだ本:あとは切手を一枚貼るだけ 小川洋子  ・ぼくがゆびをぱちんとならしてきみがおとなになるまえの詩集 斉藤倫 福音館 
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月の電灯 [物語詩]

天球儀.jpg
月の電灯

真夜中の電灯だな
満月
午前零時の豆電球だな
光る月
夢枕も照らしているな

星々は影薄く
月はこうこうと屋根を照らし
夜回りの犬公も猫足も
そろりと眠りに就く

静かな月光音が金色に鳴り
月の電灯がゆっくりと
光の放射を降らせ

柔らかいまなざしで
眠らせにくる





※今日の夜空。双眼鏡で土星と木星、ガリレオ衛星4つ見ました。夜の空に現実に光って見えている不思議。月から地球を見てみたい。
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ものをかく [現代詩]

鳥獣戯画川.jpg
ものをかく

ものをかく
そのときは
おだやかな場所にいられる
ということだ

文や絵の中に
ひっそりと
身を隠すこともあれば
無意識が
言葉をくるんで
自然にあふれるときも

長々と吠えたてる
おびえた目の
けものじみた日々はやめて

ものをかく



※最近気に入ってる絵本:クネクネさんのいちにち きょうはパーティーのひ 福音館書店
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糸をたぐる [現代詩]

窓から電車.jpg
糸をたぐる

電車の片隅で
読書に身を傾ける

顔を上げると
一瞬
どこにいるのか
分からなくなった
本の中に潜んでいたのだ

辺りを眺め
降りる駅に着き
ああそうだったと

夢中の
見えないくもの糸に
絡め取られ
幾筋もの糸を
近くにたぐり寄せた
本の逃避行から

だんだん
現実へと戻ってゆく

新しい
たたかいに
挑むように



※パプリカの鳥獣戯画バージョン動画が素晴らしい!NHK鳥獣戯画で検索して見て下さい。
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貝殻らせん [物語詩]

イルカ.jpg
貝殻らせん

巻き貝のらせんを
降りてゆくと海
水平線が見える時もあれば
海中に揺らめき
あぶくを吐く魚の日もある

らせんを上ることはない
いつも下へ降り続けて別世界
異次元へゆきたいわけではない
現実から離れようとすれば
そこへ繋がるだけだ

戻るときは目覚めと同じ唐突
ぱちん!とはじけたあぶくが
夢のように消え去り幻となる

いつか
水脈を発見するような
時空を超えた場所へ
たどり着ければ

貝殻らせんの意味を知る




※NHK猫も杓子も。の、ますむらひろしさんは、別空間の流れの中にいるようだった。ヒデヨシ、出て来て!
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夏の果実 [現代詩]

マグノリア.jpg
夏の果実

真夏が熟してきた
収穫しようと駆け出した!

太陽に照らされ
黄金色を浴びると
真っ赤になって
はち切れそうな
真夏の真ん中

まぶしい光に熟された
実った真夏を収穫
かかえきれずに
あふれ出す
満面な笑顔の果汁

暑いさなか
飛び出し駆け抜け

はじけた強者
夏の果実





※最近読んだ本:カササギ殺人事件 アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫                       ・クジラアタマの王様 伊坂幸太郎 NHK出版                           ※最近行った美術館:東洋陶磁美術館 フィンランド陶芸 マリメッコ・スピリッツ                                 ※写真は、マグノリアの花
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逃避行 [現代詩]

草食動物.jpg
逃避行

ひげの山羊が
野原を荒らすので
なおしてもなおしても
きりがない

新鮮な空気を吸いに
走って走って
空を飛び
木のてっぺんで
小鳥になって
赤くて甘い
さくらんぼを食べていたい




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レッドベアコーヒー店 [物語詩]

林.jpg
レッドベアコーヒー店

レッドベアコーヒー
赤熊印の珈琲店
時々ニヤンコもやって来る
コーヒーが美味しいのは
もちろんのこと
カップの横に添えられた
△三角の赤いお砂糖が
妖精の三角帽子みたいで
また不思議に
とろりと甘くおいしい

みなコーヒーには入れずに
口に含み
とろける甘さを味わいながら
コーヒーの苦みと楽しんでいる
何とも心地よい
ゆったりとした時間

目をつむると
森にいて
赤熊店長やニヤンコと
野鳥の歌を聴き
輪になって
レッドベアコーヒーを飲み
なごみの物語を囲む

はっとわれにかえると
周りのお客たちと目が合い
にこにこ森の話に花が咲く

これはきっと
赤い△三角帽子の小びとが
思いついた
赤いキノコの
輪になる魔法





※ニヤンコ、ロシアっぽくてひびきが気に入っています。               ※ムーミンが立体アニメになってた特集を見ました。令和は映像も、ますます進化?            ※もうすぐ、ガラスの仮面であこがれていた、奇跡の人の舞台が見れるので楽しみ!お休みが終わっても、先に楽しみがあると何とかやって行けそうです。
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音楽を聴くように [物語詩]

ベアー.jpg
音楽を聴くように

チェロを奏でるような低音で
ツキノワグマは語りはじめた

音楽を聴くような
心地よさのクマ言葉は
自然に耳に優しく流れて

人だけが話すとは限らない
この世は夢とつながってる
醒めたあとも
異空間を飛び超え

音楽を聴くように
ファンタジーを
耳から





※最近読んだ本 :みかづき 森絵都 集英社文庫 ・あずかりやさん 大山淳子 ポプラ文庫 ・カフェノナマエ 川口葉子 キノブックス                  ※映画 名探偵ピカチュウを、観てきました。ふわっふわのピカチュウの可愛さったら!           ※写真はツキノワグマではないです。
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詩集「満月に手がとどきそう」      詩集「兎の散歩者」                                  
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