サヨナラソウ [物語詩]
サヨナラソウ
サヨナラソウが群生していた
ゆらゆらとサヨナラサヨナラ
緑の小人たちが
サラサラサラと手をふるような
さざ波さざめき波立つような
サヨナラソウのあちらこちらから
ひょこひょこ頭を出したのは
草の岩かげに息を潜める
あどけない顔のナキウサギ
悲しいサヨナラをやわらげて
風向きが変わり
サヨナラソウたちが
ペコリペコリおじぎをする
サヨナラじゃなくまたねと
また会えるようタネを蒔くよ
サヨナラマタネソウとなって
※最近読んだ本:あとは切手を一枚貼るだけ 小川洋子 ・ぼくがゆびをぱちんとならしてきみがおとなになるまえの詩集 斉藤倫 福音館
コメント 0