中心 [浮遊詩]
中心
月が星の弟を連れて光り
電信柱が仲間と歌い
犬は隣の猫が夜の集会へ誘う
何にもない私は
あんたたちのお話を書くよ
今までの悲しみを
しおりみたいに時々はさんで
伝書鳩に頼んで
世界にばらまくよ
話をめいめい持ち寄って
世界の中心に集まり
花咲く笑い声を束ねる
白紙を重ねた日常を
想像力でうめると
果てしない砂丘も
世界の中心
ひとりではない
※最近読んだ本:山のトムさん 石井桃子 福音館文庫 ・人質の朗読会 小川洋子 中央公論新社 ・子どもの本の森へ 河合隼雄 長田宏 岩波書店
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