煙 [物語詩]
煙
煙に似た霧の深い午後
葉巻屋の側を通りかかり
過去の異国かと思った
アンティークの木箱に外国文字
一列に並べられ茶紙に巻かれた
強い匂いの葉煙の棒
紳士が店に入っていったが
山高帽にコートの襟を立て
顔は見えない
ちらと尖ったヒゲと尻尾が
見えたような気がしたが
けものが葉巻の煙を好むとは
聞いたことがない
街は煙に巻かれたように
さらに霧が濃い黄昏
霧が晴れはじめると
目の前には葉巻屋ではなく
最近開店したチョコレート店の
ショーウインドウ
猫のパッケージのチョコレートを
ガラス越しにじっと眺める
※葉巻or煙草風チョコレートのパッケージに猫柄は存在します。お店で探してみて下さい。
タグ:アンティーク
私のホームページからリンクを貼らせて頂ました。
月並みな紹介文でもどかしく、恐縮ですが、ご確認ください。
1日1作、詩が更新されているこのブログを見ていると、
詩人は1日にして成らず。なのだなぁ。と思います。
感性と言葉の魅力をずっと追い続けられる、ということにおいて。
今後も楽しみにしています。
by にゃんにゃん (2010-01-18 14:33)
にゃんにゃんさま。ホームページに紹介ありがとうございます。物語詩や少年詩は、どんどん広めてゆきたいので、理解者がいることがとても心強いです。また、のんびり散歩気分で読んで下さい。更新がんばります!
by 兎座 (2010-01-18 18:35)