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博士堂の猫 [物語詩]

キノコランプ.jpg
博士堂の猫

博士堂の看板猫は白猫だ
まるで白夜をまとった助手のよう

フラスコや試験管アルコォルランプが並ぶ
ショーウインドウの真ん中に
堂々と陣取った睡眠中の白猫助手は
只今催眠術の実験とばかりに
ぐっすり眠りこけている

ネズミが騒ぎ出す真夜中になると
大きなあくびにぐぅーんと伸びをして
走り回るネズミ大将を追いかける
ネズミ退治をするはずの白猫助手は
運動不足を解消するため追いかけるだけだ

白ひげ店主はというと
奥でこっくりこっくり船を漕いでいる

野暮ったく見えて世界的権威のある
夢科学者・架空動物学者・淡雪結晶学者
雫気泡学者たちが現れると
白猫助手はかれらをニャッと嗅ぎつけ
三日月が輝くように
銀のフラスコが磨かれたように
球形の瞳が輝き

白い眠りから醒め
博士らをそれぞれの品種へ
招き入れる
ニャーウ



※雑貨屋TIGERのキノコランプ¥200七色に光ります。平日二時頃、整理券なしで入れました。 ※最近読んだ本:アンの想い出の日々 下 モンゴメリ 新潮文庫                         ※赤チェック布を買って、ブランケット縫いました。風邪が長引いています。じっと寝てないから。
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