幻影 [物語詩]
幻影
言葉が音にかき消されて
よく聞こえない
列車の座席にいるのだった
“白線にご注意ください”
“右側の扉が開きます”
“列車がまいります”
聞きなれた声は
“鳴くセミにご注意ください”
“山羊皮の頁が開きます”
“ネッシーがまいります”
ただの聞き違いとは思えず
かすれて途切れた音声は
ファンタジーの扉が開いてしまっても
おかしくはない
現実の座席につかまり
何とか引き込まれずに
開いた扉から外へ
飛び出た先は海
無数の青い夜光虫が光り輝き
現実と幻、夢さえ混ざり合い
紛れ込んだ世界は
底知れない幻影へと
※最近観た映画:コクリコ坂から なんとさわやかな、なつかしい…。前半、動きの細かい丁寧さも、これからの課題であり、楽しみでもあります。
私はよく、現実逃避でこうだったらいいなーとゆう現実に乗り込んで、しばし、にやにやしたりしてます。いや、くだらないことを書いてすみません。
by galapagos (2011-07-29 09:34)
galapagosさま。いえいえ、想像力が豊かな人のコメントなら歓迎です!一瞬で現実から離れられる空想力ってすごいですよね。
by 兎座 (2011-07-29 15:45)