山の間の行方 [現代詩]
山の間の行方
だんだん畑を駆け降りてゆくと
山と山の間で線路がつながり
単線電車が走って来た
ガタンゴトンガタンゴトン
しばし見とれそして手を振る
ゆっくり短い電車さえ
線路の上で時間が瞬き
山にのみ込まれて行った
木々はゆれ風が吹いている
耳と目で追いかけた
線路の行方
夕陽が落ちはじめ
だんだん畑を駆け上がり
振り向くと
いつか大人になっていた
記憶に折りたたまれた
だんだん畑を蘇らせ
今はもうここにない単線ごと
懐で温まる
※最近読んだ本:星を継ぐもの ジェイムズ・P・ホ―ガン 創元SF文庫 斬新な考えに圧倒されました。
この詩を読んでいたら、夜行列車に乗って
どこかへ旅してみたくなりました。
by ゆー (2011-02-26 19:29)
誰もが持っているような思い出のシーンが蘇ります。
今でもそんな光景に出会ったらいつまでも
目で追いかけてしまうでしょう。
by いっぷく (2011-02-26 19:31)
>だんだん畑を駆け上がり
振り向くと
いつか大人になっていた
記憶に折りたたまれた
だんだん畑を蘇らせ
この表現いいですね。
by アヨアン・イゴカー (2011-02-27 15:12)
ゆーさま。夜行列車いいですねー。そのまま夜空まで飛びましょう。
by 兎座 (2011-03-01 22:50)
いっぷくさま。蘇るシーンこれからもいっぱい作りたいですね。
by 兎座 (2011-03-01 22:51)
アヨアン・イゴカー さま。いつもきちんと読んで下さってありがとうございます。
by 兎座 (2011-03-01 22:53)