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最後の耳鳴り [物語詩]

無印良品の家.jpg
最後の耳鳴り

街の車道で
パオーンと鳴き声が聞こえた
振り向くと車の間に
ゾウが巨大なまま走っていた

どこまでも
どんぐりまなこで追っていると
ゾウの背中に乗り車道をゆく
自身の姿が目に浮かぶ

巨大ゾウが点になって
影もなく消えた時さえ
周りの人々は姿も追わず
エンジンの音に紛れ
眼は宙をさ迷い歩く

パオーン
ふと振り向いた人は
最後の耳鳴りを聞いたかのごとく
いつも通り街道の最中

あれはゾウの背中に乗った
白昼夢だったか


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