最後の耳鳴り [物語詩]
最後の耳鳴り
街の車道で
パオーンと鳴き声が聞こえた
振り向くと車の間に
ゾウが巨大なまま走っていた
どこまでも
どんぐりまなこで追っていると
ゾウの背中に乗り車道をゆく
自身の姿が目に浮かぶ
巨大ゾウが点になって
影もなく消えた時さえ
周りの人々は姿も追わず
エンジンの音に紛れ
眼は宙をさ迷い歩く
パオーン
ふと振り向いた人は
最後の耳鳴りを聞いたかのごとく
いつも通り街道の最中
あれはゾウの背中に乗った
白昼夢だったか
2010-10-11 09:46
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