旅する動物 [物語詩]
旅する動物
駅のホームにコンテナ車両が
長い長いヘビのように走って来た時
ホームで列車待ちしていた
旅行ネズミがぎょっとするかと思いきや
ゆうゆうとトランクを転がし待つ姿
楽しみにしていた旅を
ここでひるがえす事はできない
ゆとりがにじみ出ていた
心構えをきちんと持つネズミは
小さくとも大物の動物
いつか自伝など残しそうだ
猫も怖気づいて毛を逆立たせ
ニャギャッ!と跳びはねて
逃げて行くかと思えば
列車で白猫と合い席になり
何やら故郷が同じらしく
楽しそうに話しはじめた
新鮮な動物の旅は
線路から
はじまったばかり
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