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鳴る [現代詩]

海夕ss.jpg
鳴る

きゅんとことりの胸が鳴った
羽毛の奥で産毛の木陰で
小さい小さい心が鳴る
けれどことりの姿はない

陽のだいだい色が地平に沈む瞬間
雨に打たれた草群の鮮やかな緑

ことりが羽毛の奥から
きゅんと声を出したのは
この胸にある芯音
かすかだけれど耳で拾う

音の意味を探ってみるが
言葉を生むには複雑すぎて
感情の波はいたるところにしぶきを上げ
しずくの一滴が
音のない音を鳴らす

内面の音に神秘が宿っている


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