2010年04月27日 - 物語詩 境界線古ぼけた喫茶室の裏窓から景観を眺めていた立ち並んだビルの裏手に少しの街路樹と何やら不思議な霧かすむ空間お茶を飲む猫の横顔読書する山羊紳士双眼鏡でこちらを覗く犬氏思わず手を振ると犬はぎょっとして窓をバタンと閉じてしまったもしかすると路の向こう側は通路の境界を挟んで別の世界が存在するのだろうか路の向こうへ渡ろうとしたが迷うばかりであの路までたどり着けない境界線が見当たらないふと空を見上げたが先刻窓から眺めた雲はすでに流れ動いて違う形に変化していた