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消された情景 [物語詩]

梅小路蒸気機関車 2s.jpg
消された情景

黒い帽子の男が通った時
ベンチにいたリスが消えていた
さっと通り過ぎたかに見えたが
その時男は確かにリスを消し
気難しい胡桃に変えたのだ
手品師魔術師も真っ青の技

僕は拍手しかけそうになったが
黒い帽子の男すら
その場で姿を消してしまった

ふと空耳が聞こえた
〝また会ったな〟
そういえば数週間前
このベンチで
忘れたいものを置いてきた

その時消したのはかすかな夢と
僕のちっぽけな悲しみのかけら


※面白かったTVブラタモリ「神田」
タグ:胡桃 手品師
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