店の名物

店の名物を買おうとしたが
長蛇の列が続く
諦めてやっぱり列ぶことにした
すると
ひょいひょいと
白い粉をまぶしたような
おじさんがやってきて
座席ですかと聞く
―持って帰ります
なら二号店が早いと打ち明けてくれた
諦めて列ぶつもりが
あっさりと名物を手に入れた

雪が降ってきて
白いおじさんはもういない
サンタの早変わりであったか

家に帰って
美味しい名物にかぶりつきながら
十二月になれば
赤いおじさんがいるだろうかと思う

ごちそうさま





※神戸の白いおじさんは、実在します。南京街です。                             ※写真は、太陽が串団子みたいで珍しくて撮りました。滋賀永源寺の紅葉を見に行く途中の光景。