蔵書室 [現代詩]
蔵書室
桐箱のような蔵書室
図書館の貴重な宝の山だ
庶民の僕もこの中に収まると
蔵書の一員になった気がした
使われないときは
頑丈な錠前が掛けられ完全な密室
封印された書を紐解き
桐箱を開け包まれた和紙を広げ
年代物の書を手に取ると震えた
絵巻物筆書き江戸豆本西洋書物
どれも古い物が目新しい美しい
繊細で計り知れない人間技の奇跡
蔵書は仕舞われ再び見る機会は稀
桐の匂いに囲まれる書は静かに眠る
この穏やかな空間と気配
桐箱の室に入る為
後世樹木の種になりたい
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