SSブログ

頭の中のトランク [現代詩]

バルーン.jpg
頭の中のトランク

遠くの雑踏が擦れ合い
辺りに満ちていると思ったのだが
それは耳の奥にある頭の中の騒がしい音
常に響き整列もせず
収まりの利かない
挿話がひしめき合っている

耳からシュルンと糸のように
ひっぱり出すと
小さな詩がころろんと
転がり出た

あめだま

こころがうるん
ふくれてぷつん
しめったなきがおに
あめだまひとつ
ほら
あめだまごと
わらった

あまいひだまり

そうやって
ぽつりするり
詩が生まれては消え
空っぽにした闇にまた
ひしめき合う現実と
わずかな空想の滴を落とし
詰め込む
頭の中のトランク


nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

あした手の中のキャンバス ブログトップ
詩集「満月に手がとどきそう」      詩集「兎の散歩者」                                  
このブログに掲載している詩・絵・写真の無断転用・使用を禁止いたします

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。