ファンタジーの行方

ドアの壊れた路地裏の本屋
書店員が駆けて来て
朝から機嫌が悪いんですと
一緒にガラス扉を開ける
店員は夢を食べるバクに似ていた

本棚の奥にはカフェがあり
北極語が聞こえてきた
シロクマと密談中のペンギン紳士
細長い水槽で泳ぐ魚たちが読書
窓の外には咲く花と蕾がお散歩
両手を天高く広げ
ヒョイと空飛ぶ子供たち

いつから
ファンタジーに迷い込んだの
空想と現実が交わりもつれ
こんがらがって
もはや不思議とも思わない

奇跡に近づく