雨を眺める

雨を眺めていた
ゆるやかな午後の透き間に
いくつかの考えごとを浮かべて
記憶のひとつにしおりをはさみ
ふと
雨を眺める

家猫がじっと見上げる雨
しんと静かな水色の時

ふいに
気紛れな雨だれが落ち
はねた雫が輪をうたう

耳を研ぎ澄まし
詩の中に
景色をとじ込める

猫と詩の中の雨