春のしろくま

ちぐはぐな厄介ごとを
冬のコートみたいに
重く羽織っていたから
春が訪れなかったのだ

慌てて毛羽立ったものを捨て
透き通った陽射しの矢に打たれる

やがて冷静に見えてきた
厄介ごとを書棚に並べ
眺められる時を待つ

花の匂いを嗅ぐ
春のしろくまのように
まっしろいこころもちを
まっすぐにくるんで

溶けていった氷を
懐かしむくらい
目を細めてほほえんで










※最近読んだ本:チェブラ―シュカとなかまたち ウスペンスキー作 新読書社 再読            ・安心毛布 川上未映子 中央公論新社                                     ※桜の京都、新島旧邸へ行って来ました。八重さんがここにいた不思議。                          ※京都市美術館リヒテンシュタイン展へ。ゼンマイ仕掛けの鹿が素敵! この国へ昔、欧羅巴ツアーで通ったことがあるのを思い出しました。