旧式新式電車

恐ろしく軋んだ音のする地下鉄が
ホームへ耳障りに入ってきた
旧式は間もなくおさらばする
最新の電車が現れたのだ

昔々の人々が
初めて汽車に乗ったとき
靴を脱いで裸足で乗り込み
靴を置いてきぼりにする
乗客の話を思い出した
先入観だらけで滑稽な仕草が
しばらく続いても
新しいものに馴染むまで
時間はそう掛からない

新式の電車に出会う日
また新たに人々を戸惑わせ
次第に慣れる日々が訪れてゆく
旧式が新式に覆いつくされ
新型の怖ささえ忘却の彼方へ
走り去ってゆく