いっぽんの木に

いっぽんの木に
季節をめぐる
年輪の塔がかくれている

光と水の道を通り
いっぽんの木に
ぎゅっと
世界が成り立っている

背すじのピンと張った
いっぽんの木を
空と年輪ごとあおぐ

まぶしいつながりを
青々とすくいとり
永い時をかけて
受けとめていく