サラサラ

らくだこぶのへこみに乗って
ゆらゆら砂漠の月をみたい

「おやすみあした早いんだ」
伝書鳩は言う
らくだと暮らす鳩は
沢山飛ぶために
こぶと首の間にうずくまり
ぐっすり羽根を休める

らくだは僕を
こぶのへこみに乗せて
砂漠の上でほっこり
サクサク
サラサラ
月もゆらゆらついて来た

らくだと月と僕は
ならんで静かな砂語を話す
砂はサラサラ
らくだはほっこり
月は明々と照る砂漠の灯台
僕は何が出来るだろうか

遠くの地平線で
砂嵐だか
ヴァイオリンだか
判別がつかない

鳴音が聞こえた