伝達鳩

地面が揺れた日の朝
山鳩がやけに
クルックーと鳴いていた
あれは
どこへ逃げるか話しあう声
それとも私達に伝えたい声

こんなに
近くで鳴いていたのに
失われた野性
鳥語も理解できない
もどかしいのど

すっかり
鳥声の消えた
空の真ん中で
明るい声を願うばかり