明けの明星

木曜と金曜の間に
お茶の時間をはさむと
リスウサギクマネコオオカミが
集まってきた
何かひと口つまむものと熱い紅茶
猫舌のネコはお茶がさめるまで
じっと紅茶茶碗の紅色を
眺めているのかと思ったら
満月が浮かんでいた

ようやくさめた満月を飲み干すと
ネコは仲良くなったオオカミと
遠吠えをはじめる
眠れないのをかれらのせいにして
夜更けのお茶会から夜明けの集会
木曜と金曜が混ざり合って
金木犀が香った

明けの明星
金星がぼんやりしはじめると
小さい眠りに落ちた