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アカルイシ [物語詩]

チェシャ猫.jpg
アカルイシ

アカルイ石を探して
自ら光る明るい石
月光を浴びるとなおさら

赤いサファイア
青のラピスラズリ
透明ホタル石

緑色した目の猫君が近づいて
猫目石のように光る
生きる美しい原石
光る意思が隠されている

ナーニャー美しい声で鳴くと
浮遊する体温が瞬く間に上昇
明るい意志を手にしたような
ごきげんな石と猫


※2月22日は猫の日なので前もって猫の詩を。明るい詩とも読めます。
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時を渡る [現代詩]

夜の飛行.jpg
時を渡る
            
知識の地図を巡る
本棚の小宇宙に滞在する
並ぶ書の場に埋もれていると
幸せの時間が降りてくる

過去の博物館へ留まり
真夜中まで芸術を眺め
幸運に浸った時を思う

読書灯を点し
書の空想へ漂う
星と月あかり
夜風が先を読みたいと
頁をめくる

現実と空想を行き来し
夜の毛布に包まれ
時を渡る



朝ドラ舞い上がれ!で子ども舞ちゃんが飛行機を見に行った場所へ、夜に行ってきました。人がいっぱい!写真を撮る人も多くてびっくり。
タグ:飛行機
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ぷかぷか [物語詩]

カモメオブジェ.jpg
ぷかぷか

ぷかぷか
海に浮かんでいたのは
パンプキンアートだ
長雨で海に流されていた

パンプキンはくり抜かれ
丸窓がいくつか
中の空洞に飛ぶ鳥と小鳥
ぷかぷか
ゆらゆら

遠くから双眼鏡で覗くと
ヤギキツネオオカミヒグマ
ゆらゆら乗っている
どれだけ大きいのだ

おおーい
と手を振ってみる
チチチピチュピチュ
ウォーオォーンクーンメーェ
鳴き声が聞こえた
助けを待っている!
近くの灯台まで走って
救助のモールス信号を
送ってもらう
たちまち岬から救助船が現れ
パンプキンアートと動物たちは
救助された

けれど
動物たちとパンプキンが
不満げに見えたのは
このまま海の向こうを見てみたい
と思っていたの

パンプキンアートの舟は
今日も岬から
海を眺めている

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月の満ちる [物語詩]

銀の球体.jpg
月の満ちる

月満ちる音が聞こえてきた
銀鈴の音色のような
宇宙の金管楽器のような
不思議に心地よい
空耳、夜空耳、月空耳
茸の形の耳がぴくぴくと反応
無音の宇宙にこだまする想像音

月の裏側は
優しさだけではどうにもならない
溢れては流れゆく感情の成分が
隕石になって流星と化す

サクランボウのような
真っ赤な惑星があったなら
まっしぐらに見つめて
ロケット開発に漕ぎ着けたい
サクランボウなら赤々と燃える魂
太陽と銀河のブランケットにくるまり
天地も逆転の宇宙遊泳

月の裏側から見るサクランボウ星雲の
サクランボウ星を摘み取り収穫し
真っ赤な心のまま
月の満ちる音を聞き
これから始まる遥かな星へ
落ちてゆきたい




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うさぎ [物語詩]

20221124_081117.jpg
うさぎ

耳に不安をのせて
はねるうさぎ
逃げて走って
温かい場所はどこ
足跡がテンテンテン
雪の中のモールス信号
テンテントントン
雪に打ち込んでゆく

はねうさぎを
双眼鏡で見つけると
大丈夫の手旗信号を送って
この山小屋へ

ようやくたどり着いた
はねうさぎに
ぬくぬくのひだまりの
絵本を読んであげる
ひりひりを忘れ去るように
こんこんと
深い眠りに就きやすいように

あしたがぴかぴかに
過ごせるように





タグ:うさぎ
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夜の天体望遠鏡 [物語詩]

皆既月食.jpg
夜の天体望遠鏡

学校の屋上に
天体観測用のドームがあった

走って螺旋階段を駆け上がり
一気に屋上まで上ると
夜が迎えに来ていた

望遠鏡は遙かな宇宙を
夢見させてくれる

はっと気づくと
一瞬の想像に微笑むように
月が僕の思いを照らしていた




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ガラスの短編 [物語詩]

木.jpg



Glass Shorts

In the center of a high-rise building
A donut-shaped hole becomes a courtyard
There is a glass-walled break room opposite.
Reflecting everyday life

Young man buying canned coffee at a vending machine
Women sitting on chairs and talking
A gentleman with a cane on his cheek and vague thoughts
Standing at a round table and blowing a cigarette

Looking at the rest room on each floor
Glass shorts appear and disappear
If there is a speech bubble, put the words
The development of joy, sorrow, and turning around
Feel free
I can't help but think
Transparent shorts are rolling everywhere
Waiting to come back to life


ガラスの短編

高層ビルの中央に
ドーナツ状の穴が中庭となって
向かい側ガラス張りの休憩室が
日常を映し出す

自販機で缶コーヒーを買う青年
椅子に座り話しこむ女性たち
頬杖をつきぼんやり考えごとの紳士
円テーブルに立ち煙草を吹かす輩

各階の休憩室を眺めると
ガラスの短編が現れては消えてゆく
吹き出しがあれば言葉を入れて
喜怒哀楽・起承転結の展開を
自由気ままに
考えずにはいられない
透明な短編はどこでも転がって
息を吹き返すのを待っている



明日はチェコフェスティバルへ。人形劇が楽しみ。
タグ:翻訳 英語 短編
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チョコレート音楽 [現代詩]


チョコレート音楽

甘い音色
奏でるスウィート
甘やかした舌は
ころころ歌い
とろける感覚

瞬く間に舌に転がり
時に苦く甘い香り
チョコレート音楽は
優しく温かい音色

こころに
いつでも奏でられる
甘やかな魔法の調べ



※ユニクロのMoMA-Tシャツ!モネの睡蓮とゴッホをゲット! ※冬季オリンピックTV三昧!フィギュア、スノボ、カーリング、ジャンプ!感動で泣いてばかり。
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冬の一日 [現代詩]

どうぶつたち.jpg
冬の一日

扉を開くと雪が降っていた
ストーブのある
オープンカフェを通ると
黒い犬がこっちを見ていた
しばらくしてまた通ると
一匹増えていた

黄色いきんかんの木が
鈴生りのにぎやかさを増し
ちっさいお日さまの粒々みたい

寒くて温かい
冬の一日




※最近読んだ本:松本隆 言葉の教室 ・ケストナーの人生処方詩集も、牧野富太郎の随筆も美味。まだ途中ですが。※最近楽しみなドラマ:ミステリと言う勿かれ
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森にかえる [現代詩]

モノクロトラ.jpg
森にかえる

自然から生まれた
ナイトミュージアム
声を失うほどに
研ぎ澄まされた
冷たい夜のなか
星空下の永遠を知る

生きていていいの
生きるしかないの

死ぬ前に
真実と目を合わせ
土に根を生やして
森の子どもにかえる




明けましておめでとうございます。一月一日に生まれた詩です。寒さや菌に負けないで、過ごしましょうね。最近のお気に入りの歌:JUJUの「こたえあわせ」しろくまと女の子のアニメが可愛くて!・あと、森山直太朗の「それは白くて柔らかい」昔のフォークソングのようで、懐かしい曲。 ※水彩で描いたトラ猫ティー。久しぶりの水彩画だったので、集中力なくて何日もかかりました。
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詩集「満月に手がとどきそう」      詩集「兎の散歩者」                                  
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